キミとの距離は1センチ
「意外だよな。佐久真ってすげーサバサバしてるし、遠距離とか全然平気そうなんだけど」



……あの声は、浅尾さんじゃん。

かわいい後輩をネタに、こんなとこで盛り上がらないで欲しい……。



「たしかに意外かも。というか宇野さんと佐久真さんって、どっちかっつーとカップルより友達っぽくありませんでした?」

「ああ、それある。なまじ佐久真がデカいもんで、オンナノコってイメージもないしなあ」



……あの声のふたりは、広告販促企画部の人じゃないの。

他の部署の人たちまでよってたかって人をネタにして、失礼だな。……悪かったですね、オンナノコっぽさなくて。

ぎりりとこぶしを握りしめたところで、次に聞こえてきた名前に、またわたしは固まった。



「なに、ってことはそれで佐久真機嫌悪くて、伊瀬がそのとばっちりくらってんの?」

「……別に、そういうわけではないです」



どこか憮然として答えたその声は、聞き間違えようもない。

……なによ。伊瀬も、そこにいるの?

本人がいないのをいいことにネタにしてるような人たちの中に混じって、一緒に笑ってるわけ?
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