キミとの距離は1センチ
や、やってしまった……!
あわてて椅子から降り、床に散らばった文房具を拾おうとするわたしの頭上で、ため息が聞こえる。
「……何やってんだ。相変わらずそそっかしいな」
呆れたようにつぶやきながら、同じように、伊瀬も目の前にしゃがみ込んだ。
……顔、近い。床に転がるホチキスへと伸ばされたその右手がわたしに触れたことを思い出して、反射的に目を逸らした。
彼と目を合わせないようにしながら、ひたすらマジックや定規に手を伸ばしていると。
「……佐久真、今まで悪かった」
「っえ、」
突然、小さく聞こえたから。どくんと心臓がはねて、思わず動きが止まった。
前髪が触れそうなほどの距離、誰にも聞こえないような、低い声で。
伊瀬が、わたしの耳元でささやく。
「──もう、おまえを混乱させるようなことは、しないから」
とっさに顔を上げようとしたそのときには、もう、彼は立ち上がっていた。
わたしのデスクの上に拾ってくれた文房具を置いて、「じゃ、少しの間借りるな」とホチキスを片手に、自分のデスクへと戻っていく。
あわてて椅子から降り、床に散らばった文房具を拾おうとするわたしの頭上で、ため息が聞こえる。
「……何やってんだ。相変わらずそそっかしいな」
呆れたようにつぶやきながら、同じように、伊瀬も目の前にしゃがみ込んだ。
……顔、近い。床に転がるホチキスへと伸ばされたその右手がわたしに触れたことを思い出して、反射的に目を逸らした。
彼と目を合わせないようにしながら、ひたすらマジックや定規に手を伸ばしていると。
「……佐久真、今まで悪かった」
「っえ、」
突然、小さく聞こえたから。どくんと心臓がはねて、思わず動きが止まった。
前髪が触れそうなほどの距離、誰にも聞こえないような、低い声で。
伊瀬が、わたしの耳元でささやく。
「──もう、おまえを混乱させるようなことは、しないから」
とっさに顔を上げようとしたそのときには、もう、彼は立ち上がっていた。
わたしのデスクの上に拾ってくれた文房具を置いて、「じゃ、少しの間借りるな」とホチキスを片手に、自分のデスクへと戻っていく。