キミとの距離は1センチ
「そう、だからね……向こうにいく前にもう1度だけ、珠綺ちゃんとゆっくり話がしたくて」

「──、」



にっこり、笑いかけてくれる宇野さんから目を逸らして、わたしはうつむいた。

膝の上に置いた両手を、ぐっと握りしめる。



「あのさ、珠綺ちゃ──」

「……わたしが宇野さんを、利用していたからですか?」

「え?」



彼の言葉をさえぎったわたしの目の前で、宇野さんがきょとんとつぶやいた。

やはりその顔は見れないまま、再び口を開く。



「ずっと、考えてました。……わたしは、宇野さんのことを、どんなふうに利用してたのかなって……」

「………」

「でも、結局、わからなくて……わたしのことが許せないなら、いくらでも、謝ります。だけど、わたしの何が悪かったのか……それだけは、教えて欲しい、です」



言い切ってから、しばらく、自分の膝だけを見つめていた。

だけど不意に、「ぷっ」と目の前から、吹き出すような声が聞こえて。

わたしは弾かれたように、顔を上げた。
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