キミとの距離は1センチ
「うん、すきだよ?」

「あ~~ホラもうなんか違うわ~~! そんなさあ、『ハブ酒? すきだよ?』みたいなノリじゃなくてさああああ!!」



唐突に大きな声を出してわたしの背中をバシバシ叩き始める彼女に、思わずからだをよじる。



「い、痛い都……ていうかわたし、ハブ酒なんて飲んだことないし……」

「ああもういいわ、万年能天気大雑把のあんたの話なんて聞いてらんない」

「………」



今度はわけがわからないままあっさり冷たく言い放たれて、ひく、と頬が引きつる。


ひ、ひどい言われよう……。

なにこれ、なんでわたし、ここまで貶されなきゃなんないの?

都サンあなた、わたしの同期兼親友だよね?



「はあ……ほーんと、伊瀬くんに同情するわ」



頬杖をつきつつ、ふう、とため息とともに吐き出された言葉に、思わず首をかしげた。

宇野さんなら、ともかく……なんで、そこで伊瀬の名前が出てくるのかがわからない。

ああ、同じ部署だから? わたしみたいなのが近くにいたら、大変ね~ってこと?



「そうじゃなくて……もういいや。あーあー佐久真 珠綺は残念だなあああ!! 残念な27歳だなあああ!!」

「ちょっ、都サンそれ個人情報流出と言葉の暴力……」



なんだか都の言葉に引っかかりを覚えながらも、わたしは酔うとやたら人に絡みたがる親友を、その後も宥め続けたのだった。
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