キミとの距離は1センチ
「新庄さんすみません。俺、木下さんが遠慮してたのに、無理言って資料作り手伝ったんですよ」

「え、そ、そうなの……」

「ミスがあったとしたら、もしかしたら俺がやった分かもしれません。木下さんは、いつも丁寧に仕事してくれてますから……なのでこの件で何か話があれば、俺の方にどうぞ」



ぽかんとしているさなえちゃんの表情を見れば、伊瀬の話はでっち上げだと一目瞭然だ。

すらすら、よどみなく彼の口から飛び出すのはハッタリばかり。『さすがに新庄さんも気付くんじゃないの?』って、内心ハラハラしながら見つめるけど──……。



「あ、ああそう、伊瀬くんがね……まあ別に、何も責任取らせようってわけじゃないのよ、うん。ただ今後は、気をつけて欲しいなって」

「そうでしたか。以後気をつけます」

「え、ええ。お願いね」



──それでも、新庄さんは彼の雰囲気に圧倒されてしまっている。

年齢的な話をすれば、新庄さんはわたしや伊瀬より、たしか3つくらい年上だったと思うけど……伊瀬、なーんか貫禄あるからなあ。さすがは“若”。
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