キミとの距離は1センチ
なんだか馬鹿にされてるような気がして、思いっきり睨む、けど。

斜め前にいる人物はそんなことはまったく気にも留めず、やはり涼しい顔でキーボードを叩いている。


……くやしい。わたしが言った『さなえちゃんがかわいそう』って言葉を嘘だと思われたんなら、それはすごーく、不本意だ。

ふんだ、あんたよりわたしの方が、さなえちゃんと仲良しなんだからね! 心配するのだって、当たり前なんだからね!



「伊瀬ハゲろハゲろハゲろ……」

「おま、いい歳して最低な呪文唱えるなよ」

「やめて佐久真っち!! オレにまで飛び火しそう!!」

「あ、サーセン」

「なになに、若がハゲたって?」

「やめてください内川さんハゲてませんから」

「あはははっ! 伊瀬必死ー」



……けどまあ、それでもなんだかんだで……伊瀬はわたしのこと、わかってくれてるんだろうなって思ってしまうのは。

一応、わたしたち。決して短くはない年月を同期やってるから、なのかなあ。
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