キミとの距離は1センチ
伊瀬の、切れ長の瞳に見つめられると……なんだか嘘や誤魔化しが、きかないような気がするのだ。



「え、えっと……伊瀬昨日、わたしと西川さんの誘い、断ったでしょ?」

「誘い?」

「ほら、ご、合コンの……」

「ああ……」



合点がいったようにうなずき、彼は再びわたしに鋭い視線を向けて、話の続きを促す。

ていうかなんか、今の伊瀬……いつもよりさらに威圧感あって、ちょっとこわい。

わたし別に、後ろめたいことないよね? なのになんで、こんなに緊張してるんだ……。



「で、その合コンの誘いを断ったから、なんだって?」

「そう、で……なんで伊瀬は、あんなかたくなに、合コンの話を断ったのかなって、考えてて」

「……うん」

「それで、だから……もしかしたら伊瀬に、すきな人がいるんじゃないかなあ、と」



ようやく言い切って、おそるおそる顔を上げてみたら。伊瀬は思いっきり眉を寄せて、こちらを睨んでいた。

だ、だから、こわいってば!! なんでそんな、こわい顔してんの?!
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