キミとの距離は1センチ
「おまえの彼氏、なんなの? アホなの?」
「まあまあまあ、そう言わずに……」
今度は25メートルプールに浸かりながら不穏な空気を醸し出す伊瀬を、なんとか宥める。
宇野さんが自由人なのは、今に始まったことじゃない。わたしはわりと、好きなんだよあのペース。
わたしと伊瀬がいるのは、第1レーン。宇野さんとさなえちゃんは、第4レーンにいる。
あああ、ここからでも、さなえちゃんの怯えている顔が見えるよ……。あの人、ああ見えて仕事も結構スパルタだったしな。
「……で、まずは、息継ぎ?」
仕方ないとばかりにため息をつきながらのその言葉に、こくりとうなずく。
「そうそう。わたし高校、水泳授業なくてさー。中学の先生もテキトーだったし、ちゃんと教えてもらったことないの」
「でもおまえ、水はこわくないんだな」
「うん。顔つけるの、平気だよ」
じゃあとりあえず、お手本。
そう言って伊瀬が、軽やかに壁を蹴ってクロールで泳ぎ始めた。
向こう側の壁にたどり着くと、そこに立ち止まる。
「まあまあまあ、そう言わずに……」
今度は25メートルプールに浸かりながら不穏な空気を醸し出す伊瀬を、なんとか宥める。
宇野さんが自由人なのは、今に始まったことじゃない。わたしはわりと、好きなんだよあのペース。
わたしと伊瀬がいるのは、第1レーン。宇野さんとさなえちゃんは、第4レーンにいる。
あああ、ここからでも、さなえちゃんの怯えている顔が見えるよ……。あの人、ああ見えて仕事も結構スパルタだったしな。
「……で、まずは、息継ぎ?」
仕方ないとばかりにため息をつきながらのその言葉に、こくりとうなずく。
「そうそう。わたし高校、水泳授業なくてさー。中学の先生もテキトーだったし、ちゃんと教えてもらったことないの」
「でもおまえ、水はこわくないんだな」
「うん。顔つけるの、平気だよ」
じゃあとりあえず、お手本。
そう言って伊瀬が、軽やかに壁を蹴ってクロールで泳ぎ始めた。
向こう側の壁にたどり着くと、そこに立ち止まる。