キミとの距離は1センチ
わたしとさなえちゃんの特訓を終えてからは、また流れるプールやウォータースライダーで遊んだりして。
(さなえちゃん、軽く100メートル以上続けて泳げるようになってた。美男美女の本気すごい。)

プールをひとしきり楽しんだ後は、男女に分かれて温泉でゆっくりからだをあたためた。

着替えを済ませてさなえちゃんとふたりロビーに行くと、ここでも男性陣がすでに待ち構えている。



「お待たせしました~」

「おふたりとも、早いですね」

「男なんてこんなもんだよ。あ、ふたりともめずらしい。髪おろしてるんだ」

「あはは。せっかく洗い流さないトリートメントつけたので」



プールのカルキで傷むと思って、一応持ってきてたんだ。さなえちゃんにも貸してあげたの。

ひょい、と宇野さんが、わたしの髪を一房すくい上げる。



「うん、ちゃんと髪、乾かしてるね」

「もうー、子どもじゃないんですから」

「ふふ。ごめんごめん」



不満げにくちびるをとがらせるわたしを見て、宇野さんは髪に触れていた手を放した。

そのときバッチリ、伊瀬と目が合って。だけどすぐに、逸らされる。
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