キミとの距離は1センチ
わたしが何か言葉を発する前に、宇野さんがまた口を開いた。



「泳いだらおなか、すいたよね。フードコートで何か軽く食べようか」

「あ、いいですね。川上チーフいるかなー」

「……誰?」



ぽつん、と伊瀬がつぶやいたから、彼の方へと顔を向ける。



「営業で来たとき、いつも対応してくれる人。普段はフードコートでバリバリ働いてるよ。伊瀬も挨拶しとくといいかもね」

「そうか」



うなずいた伊瀬の顔は、仕事をしているときのそれだ。

すごいなあ、休日でもそんな切り替えできるんだから。頼もしいよね、ウチのエース。

こっそり苦笑しつつ、わたしたち4人は連れ立ってフードコートへと向かった。
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