キミとの距離は1センチ
「あっ、宇野さんホントに来てくれたんだー!」

「お世話になってます、川上チーフ」



フードコート内のフライドポテトなどが売っているお店の中に、川上チーフはいた。

紙コップにプラスチックの蓋をかぶせながら、わたしたちに気付いて声をかけてくれる。



「あれっ、もしかしてその女の子……」

「川上チーフ、お久しぶりです! 佐久真ですー!」

「うわー、久しぶりだねぇ佐久真さん! 元気だったかい?」

「元気ですよ~! 川上チーフもお元気そうで何よりです!」



ちょうどお店のお客さんが途切れたのをいいことに、わたしたちはわいわいと久しぶりの再会をよろこんだ。

するとわたしの後ろから、すっと、前に出てくる人物が。



「はじめまして、川上チーフ。わたくしブルーバード本社マーケティング部の、伊瀬と申します」

「あっ、これはご丁寧にどうも」



さすが伊瀬、こんなときにもササッと名刺が出てくるとは……マーケティング部の若きエースに死角なし……。

会話を続ける伊瀬の隣りで、こっそり宇野さんがこちらを振り返る。
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