《キャラバト》白衣の保険医と黒い翼
形がはっきりしてきた。
そして、恐怖が増す。
「なんじゃ、これは…」
鸞が驚愕を口にする。
――化け物、であった。
土で出来た巨人。
五体満足であり、全てが全て土で出来ている。
それはまさに粘土で作られた土器で、見たところ固そうだ。
「“土涛なる地奏”(ウリエル)だよ」
「また鎌に憑依している神々か…!」
鸞が歯を食い縛る。
土にももちろん神が宿る。
それを動かすには高位の神格が必要になり、次いで霊力も必要だ。
彼の場合は魔力だが、神格は凄まじく高いのだろう。
こんなに巨大なものを作れるのだから――
「ダイダラボッチみてぇだな」
「アラハバキ――だっけ?だありん上手いこというなぁ」
日本神話一巨大な神の名を笑いながら言う呑気夫婦。
「だありんやれる?なんか出そうか?」
「……とにかく、刃が立つか調べるわ」
立ち上がり、ヒュンッと十拳剣を巨人めがけて投げる。
が。
土器のような肌には相応しくない柔軟性をもっているらしく、刃が当たったところは拡散し、土となり――また戻って土器になった。
「これは…やべぇかも」
「おうふっ」