《キャラバト》白衣の保険医と黒い翼
「私の正体が気になりますか?」
「…もちろん」
「なら、教えましょう」
バサリと、彼の背中に翼がはえた。
そこまで大きくはないが、飛ぶのには充分な――黒い翼。
「私の名前は驪竜(リリュウ)です
黒龍(ドラゴン)と人は呼びます」
ドラゴンは万国共通の神である。
悪魔などと言われたり、神と崇められたり。
どの国でもなんらかの信仰をもつ神である。
その信仰は莫大で、計り知れない。
そのぶん竜の神格は上がり続け、いまや世界トップクラス。
そんな彼に連れていけない場所はない。
悪魔の世界だろうと、なんだろうと、彼の名は流れているのだから。