二番目でいいから[完]
彼も同じ痛みを味わっていたの?
そう思うと、今、重なっているこの鼓動が、妙に切なく感じてきた。
―――――八尋、私、やっぱり二番目じゃ、嫌だよ。
八尋がこんな風に傷ついてる時に、真っ先にかけつけていいのは私じゃないなんて、
そんなの、そんなのきっと耐えられないよ。
そのことを八尋にたどたどしく伝えると、彼はもう一度私にキスをした。
信じられないくらい、優しいキスだった。
「……今の、本気のだから、だから泣くなよ」
顔を両手で覆って、心配そうに呟くあなた。
私はなんだが可笑しくて、少し笑った。
「……ちゃんと彼女と話してくるから、そしたらまた、俺と遊んでくれる?」
「……うん」
「俺を一番に、してくれる?」
「……それは…………」
「おい、シャレにならん」
「ふふ、嘘だよ」
泣きながら笑ってしまった。
一番にしてくれる? と聞いてる彼が、正直切なくて、愛しくて、どうにかなってしまいそうだった。
だから私は、膝立ちになって、彼の頭を抱え込むように、もう一度彼を抱きしめた。