前を見すえて
電話口からは崎野さんの声が聞こえた。




{こちら、秘密番号マネージャー崎野です。
ご用件をどうぞ}

{**グループ元秘書。
金田だ}

{!ご用件は?}


{お前の大事な跡取りを預かった。
返してほしければ、**グループの再建を手伝え。}


{登也坊ちゃまにお変わりくださいませ}


その人は僕の耳に受話器を当てる。



{もしもし、崎野さん?}

{登也様っ!
大丈夫でございますか?}


{はい。問題ありません。
ここの位置は東北12度。琉王司家経営天然デパートより

234キロ車で走ったところです}


僕の頭で計算していたことをしゃべり切る。



{finalanswer?}


崎野さんの笑い混じりの声が聞こえたと同時に
電話が切れた。









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