新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「……ボールを避ける練習とキャッチする練習が効果的で、近道かと」


「ボール? キャッチ?」


「あ……、えーーと……、手拭いを貸してください」


「手拭いをどうする?」


土方さんは言いながら、着物の袂から手拭いを取り出し、俺に手渡す。



俺は受け取った手拭いを丸めて球を作り、土方さんに見せながら説明する。



「これの、拳大の物をいっぱい作って……四方から投げたり、纏めて……竹籠か何かに入れて、いっぺんにばら蒔き……玉を避ける、玉を掴む練習をすると……そうだな~、7日で身につきます」



「!? たった7日で」



「はい」



「面白そうね、試してみる価値はある」


土方さんは筆と硯を取り出し、更々と文を書いて俺に手渡した。


「翡翠、これも一緒に」


「はい」


「あ、翡翠。脇差しと長刀を提げて行きなさい」



土方さんは片手で、2本の刀を軽々と差し出した。



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