ひまわり
遼くんとの会話は【部活に行こう】と誘いにきたバスケ部の人に遮られてしまった。
部活に遅れるわけにも行かず、遼くんはしぶしぶ部活に向かったのだった。

「森くんに連絡はするんだよね?」

愛実はクレープを食べ終わり、包み紙をくしゃくしゃにした。
私も包み紙をくしゃくしゃにしながら、こくんっと頷く。

「礼儀として…夜、連絡します。」

「何かあったら相談のるからね!」

普段は私のことをからかってばかりの愛実だけど、ちゃんと心配をして力になろうとしてくれる。
私はニッコリと笑いながらもう一度、こくんっと頷いた。


───その日の夜

カチャッ
お風呂から上がって、私は自分の部屋に戻った。
まだ森くんに連絡はしていない。
愛実と別れて、自宅に帰り着いたのが20時過ぎだったため、すぐに夕飯となった。

夕飯を食べ終わると、お母さんから「お風呂に入っちゃって」と言われて、お風呂に入った。

ベッドに座りながら壁に掛けられている時計を見ると、針は21時半を示している。

これ以上遅くなると、もっと送りづらくなるよね・・・

腰かけているベッドに無造作に置かれたスマートフォンとブレザーのポケットに入れた、森くんからのメモを手に取った。
ID検索をして森くんへメッセージ打つ。

【こんばんは。永峰結麻です。】

当たり障りのない文章。
なんて送ろうか考えたが、これ以上の文が思いつかなかった。

「うぅ〜。緊張する〜。これだけで良いよね…?」

一人言を呟きながら、メッセージを送信。
すぐに既読がつかなかったので、スマホをベッドに置いて髪をドライヤーで乾かし出す。
暖かい風が髪に当たると心地よい。
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