ひまわり
暖かな風が眠気を誘う。
ふわぁーと大きなアクビをした時だった。

ピロリンッ♪
新しいメッセージが届いたことを知らせる音がスマホから聞こえた。

アクビと共に目尻に出た涙を、指先で拭いながらスマホを手に取り、メッセージを確認する。
送信者は思った通り、森伸也くん。

【メッセージありがとう!部活終わりにファミレスに寄ってて、今帰ってきたところなんだ!】

メッセージを読んで、自分が連絡をしたタイミングが、間違っていなかったことにホッとした。
少し考えてから返事を送る。

【部活お疲れ様です。タイミングが良かったみたいでなによりです♪】

またまた当たり障りのない文章。
本当に慣れてない人とのコミュニケーションが苦手な私です・・・
ドライヤーを片づけていると、すぐに返事がくる。

【時間とか気にしないで、どんどん連絡くれて良いから!永峰さんと仲良くなりたいんだ。俺からも連絡しても良いかな?】

すごくわかりやすい人だなぁと思った。
このメッセージだけで、私に好意があるのを感じ取れる。

嬉しいような困るような、そんな気持ちの私はやっぱり当たり障りのないメッセージしか送れなかった。

【じゃあ、また連絡するかもです!森くんも何かあったら連絡してください。また学校でね。】

メッセージのやり取りを終えるような文章だけど、明日は英語の授業で小テストがあるから、勉強しなくちゃいけないし・・・

スマホをベッドに置いたまま、机に移動して英語の教科書を広げて勉強を始めた。
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