ひまわり
───また夢を見る。

優しい笑顔のあなた。

制服を着ているけど、見覚えはない。

高校生?同い年くらい?それとも年上?

あなたは誰なの───



次の日、私はいつも通り学校へ行き、一人教室にいた。
英語の小テストに備えて、ノートを眺めている。

ガラガラッ
「やっぱり今日も朝から早いな。」

扉を開けて、明るい声で話かけながら、教室に入ってきたのは遼くん。
朝から爽やかな笑顔が眩しい。
・・・あれ?
今日って木曜日だよね?

「木曜日って朝練ない日じゃなかったっけ?」

スマホで曜日を確認しながら、遼くんに尋ねる。
やっぱり今日は間違いなく木曜日。
すると遼くんは視線を逸らしながら、訳を話し出した。

「…伸也と連絡とるみたいだったから気になってさ。どうしたのかなぁ〜みたいな。」

若干不機嫌そうに見えるのは気のせい?
遼くんの言葉を聞いた私はキョトンとしてしまった。

「二回くらいやり取りしただけだよ?」

昨夜、勉強をしているとベッドに置いたスマホがもう一度、音を鳴らした。
勉強する手を止めて確認をすると【わかった!また連絡するね。おやすみ。】と、森くんからもやり取りを終えるメッセージが届いていた。

私の返事を確認するかのように、逸されていた遼くんの視線が私を見る。

「そうだったんだ。」

優しげに微笑む遼くん。
その表情があまりにも優しくて・・・今朝の夢を思い出さずにはいられない。
高鳴り出す胸を抑えながら、遼くんと会話する。
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