私と彼の恋愛理論
「急いでくれる?俺、結構忙しいんだけど?」
初めて会ったときは、なんて偉そうな人だろうと思った。
図書館へ仕事中に資料を探しにきたという男性は、探しても見つからないことにイライラしているのか、そんな冷たい言葉を放った。
それが、尚樹との出会い。
それから数日後、彼がお目当ての本を何とか館内から見つけだした私はかなり得意げだった。
「呼んだらすぐ出てきましたよ。」
それ見たことかと微笑んだ私に、彼は言葉もなく、ぽかーんとしていた。
冷酷で隙がなさそうな男の、なんとも間抜けな顔。
何故かは分からないけれど、私の好奇心をくすぐった。
格好付けて、澄ましているこの男の素顔が見てみたい。
そして、暫く私は彼を観察することになる。
彼は、この静かな空間と豊富な資料がお気に召したのか、休みの日に自習スペースで建築士の試験勉強をするようになった。
仕事しながら、たまに彼の横顔をのぞき見る。
その度、真剣な表情を浮かべている彼に、どきどきする。
まずい、そう思った時には遅かった。
私は、しっかり恋に落ちていた。
初めて会ったときは、なんて偉そうな人だろうと思った。
図書館へ仕事中に資料を探しにきたという男性は、探しても見つからないことにイライラしているのか、そんな冷たい言葉を放った。
それが、尚樹との出会い。
それから数日後、彼がお目当ての本を何とか館内から見つけだした私はかなり得意げだった。
「呼んだらすぐ出てきましたよ。」
それ見たことかと微笑んだ私に、彼は言葉もなく、ぽかーんとしていた。
冷酷で隙がなさそうな男の、なんとも間抜けな顔。
何故かは分からないけれど、私の好奇心をくすぐった。
格好付けて、澄ましているこの男の素顔が見てみたい。
そして、暫く私は彼を観察することになる。
彼は、この静かな空間と豊富な資料がお気に召したのか、休みの日に自習スペースで建築士の試験勉強をするようになった。
仕事しながら、たまに彼の横顔をのぞき見る。
その度、真剣な表情を浮かべている彼に、どきどきする。
まずい、そう思った時には遅かった。
私は、しっかり恋に落ちていた。