私と彼の恋愛理論

廊下で会えば簡単に挨拶をするようになり。

彼がどうやらお昼を抜いて勉強していることに気が付いた私は、お弁当を差し入れするようになった。

お礼にと彼から食事に誘われるようになって。


最後は、私から告白した。

だって、彼があからさまに告白できるような場面を用意してきたから。

私にお酒を飲ませて、車の中で二人っきりになった。

ねえ、これはもう言えってことでしょう?

人より少しくらい鈍感な私にも分かるよ。

いつもと同じように冷静な顔。

だけど、私にはもう見えてるよ。

私と同じようにどきどきしている素顔のあなたが。

「じゃあ、付き合う?」

私の告白に、そう白々しく返した彼。
好きだとも愛してるとも言われたことはないけど、確認する必要もないと思ってた。

あなたが、私のところに帰ってくるうちは。



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