私と彼の恋愛理論
だけど、僕のもやもやした気持ちは消えることなく、どんどん膨らむばかりだった。

だから、思い切って両親に聞いてみることにした。

お父さんは何でも疑問に思ったことは、そのままにするなと言う。

自分で調べても分からないときは、誰かに聞きなさいと。

まさに、それを実践すべき時が来た。


少し前まで体調が悪そうにしていたお母さんも、やっと元気になった。

久々に手の込んだお母さんの晩御飯を前に親子3人がそろった食卓で、僕は切り出した。

「あのさ。」

そう切り出した僕に、二人は「なんだ？」「なあに？」と耳を傾ける。

「どうして赤ちゃんができたの？」

その質問に母が「えーっと、それはコウノトリさんが・・・」などとメルヘンチックな話を始めようとしたところ、父がその言葉を遮った。

「そりゃ、セックスしたから。」

あまりにストレートな物言いに、僕も一瞬表情が強張った。
お母さんは「ちょっと」と言いながら顔を赤らめている。

「友樹はもう小４だぞ。学校でそれくらい習ってるだろ。ごまかす方がよっぽど恥ずかしい。」

お母さんはよほど恥ずかしかったのか、「だからってそんな言い方ない！」と言いながら、寝室に駆け込んでしまった。

父は小さくため息をつくと、再び僕に向き直った。



「何か聞きたいことがあるなら、具体的に言え。全部話してやる。」
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