Closed memory
ーーー
「……っ」
目が覚めたのは、夜中だった。
随分と長い間寝ていたからだろうか、身体が怠く感じる。
毎日欠かさず竹刀を振っていたのに、たった一日休んだだけで、筋肉は衰える。
日々の習慣に身体が馴染んでいたのだろう。
また明日から稽古に励まないと、どんどん自分の腕が錆びていく。
そのことが少し恐ろしくもあり、逆にどうでも良くも感じた。
矛盾してる。
俺は一人苦笑すると、そっと布団から起き上がった。
少し、夜風にあたりたかった。
「ーーおや」
「っ……沖田先生」
廊下でばったりと居合わせたのは、寝間着姿の沖田先生だった。
手水で起きてそのままなんだろうか、所々髪が乱れている。
「偶然ですねぇ、京くん。貴方も厠ですか」
「いえ、俺は……」
外に出たかっただけ。
なぜか、そんな簡単な言葉も出なかった。
沖田先生は俺のそんな心境を知ってか知らずか、不意に夜空を見上げる。
「どうですか」
「え……?」
突然の問いに、思わず聞き返す。