ラザガ


リリーは遠くまで飛ばされ、落下した。


体長1キロメートルの人面大腸の巨体が、地面に衝突し、地響きが起きる。


「っ痛・・・・・・ここは?」


東京タワーの刺さった右目から血を流しながら、リリーは周囲を見渡した。


そこは、ゴミの山の中だった。大量の粗大ゴミが、広範囲にわたって積み重ねられている。


ここは第三夢の島。


東京湾の海上に埋め立て建設されたゴミ集積用の土地である。


ラザガ我王に吹き飛ばされて、さっきいた場所から30キロ以上の距離を飛んでしまったようだ。


「・・・・・・あれが、ラザガ。ヘンリーちゃんを、殺したやつ・・・・・・」


リリーは眉間にシワをよせた。


「油断しちゃったわ。いきなり襲ってくるなんてね。・・・・・・まあ、いいわ。まずこの傷をなんとかしないと」


そう言ってリリーは、目の前に積み上がる大量の粗大ゴミにかぶりついた。プール一杯分のゴミをリリーは一口で口に含み、ゆっくりと咀嚼し、飲み込んだ。


しばらくすると、異変が起きた。リリーの右目の肉がぐちゅぐちゅと蠕動したかと思うと、刺さっていた東京タワーが抜け落ち、その下から、新しい眼球がにちゃっと生えてきたのだ。


これが、リリーの能力だった。


リリーの首から下の巨大な大腸は、ジュオームエネルギーにより、異常進化していた。リリーの大腸は、食べたものを有機無機関係なく、どんな物質でも栄養に変え、その栄養を元にして短時間で肉体を変化させることができるのだ。


リリーは食べたゴミをすぐに栄養に変えて、右目を回復させたのである。


新しい右目を動かしてみながら、リリーはため息をついた。


「・・・・・・さて、反撃といきましょうかね」


にやりと笑い、上を向く。




その時、空から東京スカイツリーが飛んできて、リリーの右目に突き刺さった。




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