ラザガ


さっきの策郎との争いでさすがに疲れているのか、雄介の声は低かった。


「ここに来る途中、街の様子を見ましたか?たくさんのビルに、巨大なものにかじられたかのような歯形が残っていた。おそらくヤツの仕業でしょう。どうやら、あれはどんなものでも食べることができる、そういう化け物のようです」


「ミサイルも食えるのか」


「おそらく。あの大腸のような形をした胴体に、何かあるのかもしれません」


豊作は、小さくうなった。


雄介の読み通り、リリーは、百二十発のミサイルを全て一瞬で食らい、消化した。爆発を、唾液で溶かしたのである。ジュオームにより進化したリリーの大腸は、放射能すらも、栄養に変えることができるのだ。


遠距離からの攻撃は通じないか。


豊作が一瞬うつむいて考えたときだ。


「おい、オッサン!来るぞ!」


通信モニターから、策郎が叫んだ。


豊作は顔をあげた。


そして、目を丸くした。


リリーの両目が、赤く輝いていた。目の周囲に、血管が浮いている。


人面手首、ヘンリーの時と同じだ。


「あいつも使えるのか!?」


豊作が呆然とした瞬間。


リリーが叫んだ。


「ジュオォォォォォォムッビィィィィムッ!」


目に刺さっていた東京スカイツリーを一瞬で粉々し、赤い光線がほとばしった。




ラザガ我王は、


よけるのが遅れた。



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