*続*先生、甘い診察してください





「終わったよ~」



診察台を起こし、「がんばったね」と声をかけるが夏依ちゃんは暗い表情のまま。





「どうした?」

「……」



もしかして、すっごく痛かったのかな?


でも……痛みを訴えるような事は……。






「ま、前歯を治療されるのって……恥ずかしい、ですね……」



沈黙の後、その言葉を聞いて「そっか」と思った。



女の子だもんね?



恥ずかしいとか、気にしちゃうよね?






「でもねぇ、先生がんばって治したよ~。健全歯と変わらない仕上がりになったよ」

「……だけどもう、前歯の治療は……嫌です」



キッパリ言うねぇ~。




< 347 / 463 >

この作品をシェア

pagetop