追いかけても追いかけても


「何ニヤニヤしてんの?」

顔を覗き込まれ頬を摘まれた。

「ひはひーははひへー」

「何言ってんのかわかんない」

わかってるはずなのに笑いながら摘み続ける。
私は奏多の手を無理矢理離すと足を踏んだ。

「いって!」

何すんだって顔で見られるけど自業自得だ。
奏多を無視してキッチンへ向かうともう誰もいなくてお弁当と朝ご飯が2つ置いてあった。
奏多の分まで用意するなんてさすがママ。


奏多も降りてきて誰もいないことに気付いた。
「お母さん仕事?」

「そうみたいだね。ご飯用意してくれてるよ」

2人で朝ご飯を食べる。

< 82 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop