恋愛事案は内密に
「おはようございます!」

「だから、その癖やめてくれないかしら。ドアがとれちゃうでしょ」

「あ、すみません。あ……昨日の」

目鼻立ちが整った男性が目を輝かせながら近づいてくる。

横に座っていた高清水さんが少しにらみを利かせていた。

「もうちょっとその感じ、何とかなりませんか」

高清水さんがムスっとしていた。

「ああ、ごめんごめん。しっかりしなきゃいけないね」

髪の毛をかきながら高清水さんに謝っていた。

「そうよ。新人さんが入ったんだからしっかりしてよね、五十嵐くん、じゃなかった所長」

「……所長?」

思わず椅子をひっくり返そうになりながら、立ちあがった。

「申し遅れました。営業所所長の五十嵐正宗と申します」

涼やかに笑う。

やさしく撫でるように話す声。

そういえば、この人は以前会ったことがある。

「森園むつみです。今日からお世話になります。よろしくお願いします」

「いいですよ、そんなにかたくならないで。仕事しづらくなりますから」

そういうと、北野さんのとなりの席にすわった。

「所長、そんなにかったるくしないでください。新人の方に示しがつかないじゃないですか」

高清水さんが高圧的な態度をとる。

「ごめんごめん。しっかりしなくちゃね。とりあえず朝の挨拶と業務事項の確認をしますかね」
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