恋愛事案は内密に
そういうと副所長の北野さん、高清水さんが席を立ち、つられて私も立った。

「おはようございます。今日も『ホウレンソウ』を実行しましょう」

報告連絡相談と連呼して、業務内容の確認をはじめた。

「北野さんは近くの現場に行くんでしたよね。で、僕は営業所の取引先をめぐるから。高清水さんは森園さんに仕事のアドバイスをお願いします。森園さんは今日一日で覚えるんじゃなくてじっくりと業務に慣れてください。以上です」

挨拶が終わると、北野副所長とともに五十嵐さんも外へ出ていってしまった。

北野副所長はしゅっとした顔つきだったが、五十嵐所長だけは出る前に私の顔をちらりと見て、ニコリとした顔をしていた。

私と高清水さんだけが事務室に残る。

しばらく沈黙がつづいたが、高清水さんが口を開いた。

「ウチの部署は小さいから別にお茶くみとかコピーとかやらなくていいから。全部正社員の二人がこなしちゃってるし。雑務っていっても取引先からもらってきた見積書と注文書の作成と本社宛てにFAX送信とあとは社内の経理関係ぐらいだから」

とすらすらと高清水さんは教えてくれた。

「至らないところがあるかもしれませんが、よろしくお願いします」

「一つ忠告だけど」

「……はい?」
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