恋愛事案は内密に
むつみさんに電話をかける前に郡司から電話がかかってきた。

「五十嵐、どうなってるんだ?」

「どうかしたか?」

「森園さん、やめたがってるみたいだけど。トラブルでもおこしたか?」

「ううん。そんなことないけどな」

「それならいいんだけど。しかし、ここまで森園さんを気に入ってるなんてな。オレもきれいだなって思ってた」

「やらないから」

「は? 何いってんの」

「僕のものだから」

「そうだと思ったよ。森園さんのことになると目の色変わってたからさ」

「バレてたか」

「五十嵐の好みの女性だなーって内心思ってたし」

「何だよそれ」

「でも気をつけろよ。彼女はウチの社員なんだから」

「心得てますよ」

「五十嵐はちゃんと計算に入ってるんだろ」

「計算? まあね」

「やっぱりな。それはそうとそろそろ帰ってるんだろ、兄貴」

「……ああ」

「また、ややこしくなるなよ」

「今度はもう大丈夫だよ」

そういうと安心したのか、また電話するからと郡司から電話を切った。
< 295 / 297 >

この作品をシェア

pagetop