あの頃の君へ
「あのさ、もう一緒で良くない?」
そろそろ寝ようと寝室に入ると、後ろから声をかけられた。
「いやいやいや、良くないでしょ」
「何で?ソファーってそもそも寝る所じゃないし、ベッドあるじゃん、ここに」
「いや二つないじゃん」
「一つあるじゃん」
拗ねたような口調になっていく拓真。
私より身長も高いのに可愛いと思わざるを得ないのは、やはり女としては悔しい気がした。
「……わかったよ。私が拓真よりチビだからソファーで寝ますよ」
仕方ない、譲ってやるか。
そう思い、枕を持って出ていこうとすると、すれ違い様に腕を掴まれた。
「だから一緒で良いじゃん?何か不都合な事でもあるわけ?」
「不都合って……」
「あ、みのりちゃん何か変なこと想像してるわけだ」
「はぁ!?」