あの頃の君へ


ニヤニヤとしながら私の肩に手を置いて、必要以上に近づいてくる。



……なんて最悪な日なんだろう。



振られ、雨にも降られ、挙げ句の果てにはナンパされるなんて……。



「……っ離して!」



思いっきり腕を振って突き放すと、男の顔つきが変わった。



「あぁ?何すんだよ」



やばい。



そう思った時には、既に遅し。



私は手首を掴まれ、高架下の壁に押し付けられてしまった。



「いたっ……何すんのよっ」



抵抗しようと試みても、やはり男の力に敵うはずもなく容赦なく男は私に近付いた。



「あんたさぁ、可愛い顔してんだからもっと女らしくしたら?」



「あんたにはっ、関係ないっ!」



「……まぁ、これから俺が可愛がってあげるけどね」



そう言った男の顔はとても不気味で、もう私の体は震えて言うことを聞かなくなった。



「……っ」



「へへ、やっと大人しくなった。」


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