あの頃の君へ



陽子さんの話は、衝撃的だったはずなのに心の中ではそんな気がしていたような気もした。



“俺の……夢の本”



“みのりの世界は何色?”



“今までありがとう……”








拓真が重い心臓病にかかったのは、中学生の頃だった。



その治療の為、渡米したが治療法は手術のみ。



しかしその手術は極めて成功率が低く、薬剤投与だけの治療が続いたが、ついに拓真の体が耐えられなくなってきた。



その為、手術するしか生き延びる道は無い、と。



『そうお医者さんから言われた時、病気になって初めて、拓真が私たちにお願いをしてきたの。




“頼む。最後に日本に残してきた、手の焼けるアイツに会いたい。”



って……』



陽子さんの言葉が頭から離れない。



「拓真……っ、拓真……」



泣いても泣いても止めどなく溢れる涙が、情けなかった。



私なんかより拓真は、強くて、周りを見ていて、一人で戦っていたんだ。


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