あの頃の君へ
「だからバレンタインに便乗して、告白したんですけど見事に振られちゃいました。
拓真くんに好きな人がいることは薄々気が付いていたんです。
私が保健室で偶然、拓真くんの病気を知ってしまった時、
“絶対に知られたくない奴がいる。そいつに余計なもん背負わせたくないんだ”って。
あぁ、多分その人か好きなんだろうって。
告白したのはその好きな人って言うのを知りたかったんです。
結局教えてはくれなかったけど、隣の家をチラッと見たのを私は見逃しませんでした。
拓真くん、あの頃からずっと吉岡さんの事が……」
その森下さんの真っ直ぐな目に、私の涙もいつの間にか止まっていた。