世界でいちばん、大キライ。
麻美の横顔は、言っていることはいつもと同じような生意気なことなのに、涙目になっていた。
それに気づいた久志は、いつものノリで返そうとしたのを抑えて、冷静に言い直す。
「ダメんなった理由とか、カッコ悪くて小学生になんか言えるかよ」
頭を掻きながら顔を麻美から逸らし小さく言うと、麻美は目尻を乱暴に拭った。
「桃花さんは、いつもあたしと同じ目線になってくれてる感じがするから。あたし(子ども)相手でも、嘘も隠し事もきっとしない」
子どもには、口で説明できないような〝感覚〟が大人よりも敏感なのかもしれない。
でも、確かに久志も麻美の言うことには頷けるところがあった。
30過ぎて、関わる周りの人間もそれなりに大人。
その中にはいなかったタイプ……とでも言えばいいのか。
言葉を交わすようになってからは、どんどんと距離を縮めてきた。けれど、押し付けられてる感覚というものはない。
ただ、自分の目標や久志への気持ちに対して、あまりにストレートな桃花に尻込みしてしまうような感じ。
〝諦める〟だなんて言葉は到底似合わない桃花と、諦め癖がある自分との差に戸惑ってしまう。
(ああいうアグレッシブな思考って、若いからか? いや、でもオレは、あの人と同じくらいの時から変わってないか)
自嘲気味に小さく笑うと、くるっと完全に体を正面に向けた麻美が赤い顔のまま言った。
「そんな人だから、素直じゃないヒサ兄とはお似合いだと思うって言ってるの!」
それに気づいた久志は、いつものノリで返そうとしたのを抑えて、冷静に言い直す。
「ダメんなった理由とか、カッコ悪くて小学生になんか言えるかよ」
頭を掻きながら顔を麻美から逸らし小さく言うと、麻美は目尻を乱暴に拭った。
「桃花さんは、いつもあたしと同じ目線になってくれてる感じがするから。あたし(子ども)相手でも、嘘も隠し事もきっとしない」
子どもには、口で説明できないような〝感覚〟が大人よりも敏感なのかもしれない。
でも、確かに久志も麻美の言うことには頷けるところがあった。
30過ぎて、関わる周りの人間もそれなりに大人。
その中にはいなかったタイプ……とでも言えばいいのか。
言葉を交わすようになってからは、どんどんと距離を縮めてきた。けれど、押し付けられてる感覚というものはない。
ただ、自分の目標や久志への気持ちに対して、あまりにストレートな桃花に尻込みしてしまうような感じ。
〝諦める〟だなんて言葉は到底似合わない桃花と、諦め癖がある自分との差に戸惑ってしまう。
(ああいうアグレッシブな思考って、若いからか? いや、でもオレは、あの人と同じくらいの時から変わってないか)
自嘲気味に小さく笑うと、くるっと完全に体を正面に向けた麻美が赤い顔のまま言った。
「そんな人だから、素直じゃないヒサ兄とはお似合いだと思うって言ってるの!」