世界でいちばん、大キライ。
(休み、か。本当、うまくいかねぇな。日頃の行いのせいか)
自虐気味に心の中で皮肉を言うと、久志は入り口付近で腕を組みながらコーヒーを待つ。
(いや、違うな)
目の前に見えるレジカウンターに、いつも笑顔で応対してくれていた桃花を思い出す。
注文を取り、コーヒーをトレーに乗せて、あの窓際の席まで落ち着く香りと共に運んでくれる。
今思えばいつでもそうだった。
店(ココ)でも、外でも。
いつも近づいてきてくれるのは、桃花(向こう)から。
前に進むことも出来ず、戸惑いその場に立ち竦んでいる自分の元に、体当たりでぶつかってきてくれたから。
(いつだって、あっちが努力してくれてたから会えてたモンだ)
そんな単純なことを、失った後に気付くのはなぜなのだろう。
「お待たせいたしました」
了がテイクアウト用の紙カップに淹れたコーヒーを久志に差し出す。
久志はそれを会釈して受け取ると、扉を押し開けた。
「ありがとうございました」
――『ありがとうございました』
了の声に重なって背中越しに聞こえた幻聴は、いつも当たり前のように聞き流していた桃花の明るい声。
自虐気味に心の中で皮肉を言うと、久志は入り口付近で腕を組みながらコーヒーを待つ。
(いや、違うな)
目の前に見えるレジカウンターに、いつも笑顔で応対してくれていた桃花を思い出す。
注文を取り、コーヒーをトレーに乗せて、あの窓際の席まで落ち着く香りと共に運んでくれる。
今思えばいつでもそうだった。
店(ココ)でも、外でも。
いつも近づいてきてくれるのは、桃花(向こう)から。
前に進むことも出来ず、戸惑いその場に立ち竦んでいる自分の元に、体当たりでぶつかってきてくれたから。
(いつだって、あっちが努力してくれてたから会えてたモンだ)
そんな単純なことを、失った後に気付くのはなぜなのだろう。
「お待たせいたしました」
了がテイクアウト用の紙カップに淹れたコーヒーを久志に差し出す。
久志はそれを会釈して受け取ると、扉を押し開けた。
「ありがとうございました」
――『ありがとうございました』
了の声に重なって背中越しに聞こえた幻聴は、いつも当たり前のように聞き流していた桃花の明るい声。