世界でいちばん、大キライ。
*
「……信じられません。『たすけて』って言うから急いできたのに」
携帯を握る手をダランと下ろして大きな溜め息と共に言ったのは桃花。
「ウン。だから〝たすけて〟? モモカは、どれオススメ?」
至極真面目な顔でジッと目の前のボタンを見つめて言うのはジョシュアだ。
桃花は脱力して項垂れると、額に右手を当ててしばらく黙り込む。
その様子を、きょとんとした目で見ていたジョシュアは桃花の顔を覗き見る。
「どうシタノ?」
「……どうもしてません」
「あれ? なんかモモカ、怒ってる?」
透き通るような瞳を向けて、小首を傾げるジョシュアに桃花は「はぁっ」と息を吐いた。
「別に怒ってはないですけど。でも、突然電話で興奮気味に『たすけて』だなんて言われたら、心配するじゃないですか」
少し頬を膨らませて桃花が言うと、ジョシュアは「ごめん」としゅんとした。
その間に、ふたりの横から『ピピッ、ジャラッ』といった音がする。
お互いに目を丸くして見合わせ、隣へ視線を向けると、自動販売機に入れた硬貨が戻ってきていた。
「……もう。どれも美味しいですけど。個人的には右下のメーカーのコーヒーが好きです」
口を尖らせながら、おつりの出口から小銭を取り出して再び投入する。
赤いランプが一斉に点灯すると、桃花は右下のボタンを指差しながら、そうジョシュアに言った。
「じゃあ、それにしてみるよ」
ニコッと笑みを返しながら、ジョシュアが長い指先を伸ばして桃花の指示していたボタンを押す。
ガコッと大きな音を立てて金色の缶が出口に転がってくると、ジョシュアは満足げにそれを屈んで手にした。
「……信じられません。『たすけて』って言うから急いできたのに」
携帯を握る手をダランと下ろして大きな溜め息と共に言ったのは桃花。
「ウン。だから〝たすけて〟? モモカは、どれオススメ?」
至極真面目な顔でジッと目の前のボタンを見つめて言うのはジョシュアだ。
桃花は脱力して項垂れると、額に右手を当ててしばらく黙り込む。
その様子を、きょとんとした目で見ていたジョシュアは桃花の顔を覗き見る。
「どうシタノ?」
「……どうもしてません」
「あれ? なんかモモカ、怒ってる?」
透き通るような瞳を向けて、小首を傾げるジョシュアに桃花は「はぁっ」と息を吐いた。
「別に怒ってはないですけど。でも、突然電話で興奮気味に『たすけて』だなんて言われたら、心配するじゃないですか」
少し頬を膨らませて桃花が言うと、ジョシュアは「ごめん」としゅんとした。
その間に、ふたりの横から『ピピッ、ジャラッ』といった音がする。
お互いに目を丸くして見合わせ、隣へ視線を向けると、自動販売機に入れた硬貨が戻ってきていた。
「……もう。どれも美味しいですけど。個人的には右下のメーカーのコーヒーが好きです」
口を尖らせながら、おつりの出口から小銭を取り出して再び投入する。
赤いランプが一斉に点灯すると、桃花は右下のボタンを指差しながら、そうジョシュアに言った。
「じゃあ、それにしてみるよ」
ニコッと笑みを返しながら、ジョシュアが長い指先を伸ばして桃花の指示していたボタンを押す。
ガコッと大きな音を立てて金色の缶が出口に転がってくると、ジョシュアは満足げにそれを屈んで手にした。