世界でいちばん、大キライ。


それから数日後。
ジョシュアから正式に雇用する旨の手紙が送られて来た。
――約半月後の航空券も添えられて。

アパートなども、桃花はジョシュアに一任していたためすでに決まっていて、あとは必要な荷物を送って桃花自身がシアトルに向かうだけ。

そんな今日、桃花は早番の日だ。

「こんにちは!」

カラン、と音を鳴らしてドアから入ってきたのは麻美。

「あ、おかえり。もうそんな時間かぁ。ココアでいい? それともオレンジジュースとかにする?」

レジカウンターにやってきた桃花が出迎えてうかがうと、麻美はふるふると首を横に振ってポケットから財布を出した。

「ううん。あのね。今日は、桃花さんのカフェラテをください」

チャリン、と小銭をトレーに乗せて、真面目な顔で注文する。

なんだかんだ、そう多いことではないし、と麻美が来た時には桃花がごちそうしてあげていた。
もちろん、麻美もそれが当然だとは思ってはいなかったが、遠慮しすぎても変な空気になるし、そこは都合よく子どもらしく退こうと思って厚意に甘えてきたが。

そんな麻美が、レジに立ってラテを注文した。

桃花は目を丸くしたが、少ししてから頷いて、麻美の出したお金を受け取った。

「じゃあ、好きな席で待ってて」

麻美にそう伝えると、桃花は準備を始める。
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