世界でいちばん、大キライ。
*
それから、麻美の誘いでふたりはマンションにいた。
この間の久志の言葉が逆に桃花を遠慮させたが、麻美の押しに負けて結局敷居を跨いでしまった。
リビングのダイニングテーブルに向かい合って、和やかにテキストや発音の練習を重ねて約1時間。
小休止、と麻美が桃花に教わったようにココアを淹れて、気恥ずかしそうに持ってくる。
「ありがとう。使ってくれてるんだ。ミルクフォーマ―」
「うん。結構楽しい」
「そっか。それならよかった。あ、もう7時になるね。そろそろ帰らなきゃ」
掛け時計を見上げて言うと、麻美が間髪入れずに言った。
「ううん。ゆっくりしてって。ヒサ兄、遅くてもそろそろ帰ってくるはずだから」
「えっ。いや! だからこそ……っていうか」
ココアを噴き出しそうになりながら、赤い顔でごにょごにょと言う桃花に、麻美はテーブルの上を片付け始める。
そわそわとしながら麻美を見つめると、トン、とテキストを揃えた麻美が立ちあがった。
「桃花さん、ヒサ兄と付き合ってるんだよね?」
ゴクッと変なところに流れたココアにむせこみながら、涙目で麻美を見上げる。
今さら麻美に対して濁すようなことではないが、面と向かってストレートに表現するのは初めてで、さすがの桃花も照れてしまう。
動揺して答えあぐねていると、ピンポン、というインターホンの音が部屋に響いた。
目を丸くした桃花だが、次の瞬間『もしかして』と想像してしまう。
「あ、来た」
麻美の反応に、桃花は自分の予想通り彼が帰宅したのだと思うと、たちまち落ち着かなくなってその場に立ち上がってしまった。
おろおろとする桃花を見て、麻美は意味深に笑う。
それから、麻美の誘いでふたりはマンションにいた。
この間の久志の言葉が逆に桃花を遠慮させたが、麻美の押しに負けて結局敷居を跨いでしまった。
リビングのダイニングテーブルに向かい合って、和やかにテキストや発音の練習を重ねて約1時間。
小休止、と麻美が桃花に教わったようにココアを淹れて、気恥ずかしそうに持ってくる。
「ありがとう。使ってくれてるんだ。ミルクフォーマ―」
「うん。結構楽しい」
「そっか。それならよかった。あ、もう7時になるね。そろそろ帰らなきゃ」
掛け時計を見上げて言うと、麻美が間髪入れずに言った。
「ううん。ゆっくりしてって。ヒサ兄、遅くてもそろそろ帰ってくるはずだから」
「えっ。いや! だからこそ……っていうか」
ココアを噴き出しそうになりながら、赤い顔でごにょごにょと言う桃花に、麻美はテーブルの上を片付け始める。
そわそわとしながら麻美を見つめると、トン、とテキストを揃えた麻美が立ちあがった。
「桃花さん、ヒサ兄と付き合ってるんだよね?」
ゴクッと変なところに流れたココアにむせこみながら、涙目で麻美を見上げる。
今さら麻美に対して濁すようなことではないが、面と向かってストレートに表現するのは初めてで、さすがの桃花も照れてしまう。
動揺して答えあぐねていると、ピンポン、というインターホンの音が部屋に響いた。
目を丸くした桃花だが、次の瞬間『もしかして』と想像してしまう。
「あ、来た」
麻美の反応に、桃花は自分の予想通り彼が帰宅したのだと思うと、たちまち落ち着かなくなってその場に立ち上がってしまった。
おろおろとする桃花を見て、麻美は意味深に笑う。