世界でいちばん、大キライ。
*
2階建てのビルに足を踏み入れると、すぐ横の階段を昇りながら桃花が振り向いた。
「大きめの100円ショップ。来たかったんですよね。なんか付き合ってもらってすみません」
「いや……俺も適当に見れるし」
桃花が「買い物に行きませんか?」と言ったときに、久志は少し違った想像をした。
例えば洋服や、女性の小物など置いてある雑貨屋など。そういったことを思い浮かべていたので、辿り着いた先が100均ということに拍子抜けした。
それも、遠くない……むしろ近所の店。
(ああ、仕事だっつってたし。遠くには行けねぇか)
ふと何気にそんなことを思うと、それがなんだかまるで『遠くに行きたかった』と自分が思っているようで、久志は軽く頭を振る。
変に構えていた自分がバカみたいだ、と力が抜けた。
「あの、麻美ちゃんは今日……大丈夫でしたか?」
桃花は自分のせいで久志と麻美の時間を削ってしまったかもしれないと、先程からずっと気に揉んでいた。
「あー。昼頃まで出掛けてるから大丈夫」
久志があくびをしながら言った言葉に桃花は胸を撫で下ろす。
2階でそれぞれ店内をみるという流れで、ふたりは一度別れた。
一方、桃花は、100円ショップに来たかったというのは嘘ではなかったが、もう今や自分の買い物の目的などどうでもよくなってきていた。
ただ、一緒に買い物をしているだけ。
それだけなのに、高揚する気持ちは、紛れもなく〝恋〟だ、と自認していた。
(……一応、彼が麻美ちゃんの実のお父さんじゃないってことはわかったけど……だからって、どうすればいいんだろう)
2階建てのビルに足を踏み入れると、すぐ横の階段を昇りながら桃花が振り向いた。
「大きめの100円ショップ。来たかったんですよね。なんか付き合ってもらってすみません」
「いや……俺も適当に見れるし」
桃花が「買い物に行きませんか?」と言ったときに、久志は少し違った想像をした。
例えば洋服や、女性の小物など置いてある雑貨屋など。そういったことを思い浮かべていたので、辿り着いた先が100均ということに拍子抜けした。
それも、遠くない……むしろ近所の店。
(ああ、仕事だっつってたし。遠くには行けねぇか)
ふと何気にそんなことを思うと、それがなんだかまるで『遠くに行きたかった』と自分が思っているようで、久志は軽く頭を振る。
変に構えていた自分がバカみたいだ、と力が抜けた。
「あの、麻美ちゃんは今日……大丈夫でしたか?」
桃花は自分のせいで久志と麻美の時間を削ってしまったかもしれないと、先程からずっと気に揉んでいた。
「あー。昼頃まで出掛けてるから大丈夫」
久志があくびをしながら言った言葉に桃花は胸を撫で下ろす。
2階でそれぞれ店内をみるという流れで、ふたりは一度別れた。
一方、桃花は、100円ショップに来たかったというのは嘘ではなかったが、もう今や自分の買い物の目的などどうでもよくなってきていた。
ただ、一緒に買い物をしているだけ。
それだけなのに、高揚する気持ちは、紛れもなく〝恋〟だ、と自認していた。
(……一応、彼が麻美ちゃんの実のお父さんじゃないってことはわかったけど……だからって、どうすればいいんだろう)