世界でいちばん、大キライ。
「だ、大丈夫ですか? 休みます?」
「うー……ぃや、だいじょぶ」
(ほ、ほんとかな?!)
弱々しい久志の言葉に不安を感じながら、その場に立ったまま様子を窺う。
受け答えはとりあえずできている。吐きそうな気配もなく、少しずつ車酔いがよくなっているのかもしれない。
桃花がそう判断して、久志のマンションの方向へと足を向けた。
「歩けます? ていうか、どうしてマンションまでタクシーで帰らなかったんですか」
やや引き摺るような歩き方で久志が足を踏み出したときに、桃花が咄嗟に思ったことを口にした。すると、久志は少しの間の後に途切れ途切れに答える。
「……他にも……連中が乗ってた……から」
(相乗りってこと? だったら他の人も気を利かせばいいのに)
もしかしたら、同乗していた人たちも同じように酔っていて気なんか利かせられる状態ではなかったのかもしれない。
しかし桃花は、理由はそれだけではなく、久志の性格なのだろうと苦笑した。
パッと見と、少し話したくらいであれば、そんなふうに思わなかったかもしれない。
けれど、麻美と共に過ごし、話をしている姿を見て感じた。
強い責任感と、使命感。それと、年頃の麻美を気にするような優しい心。
「よっ」と久志の腕を肩に乗せなおしながら考えていたら、重要なことに気が付く。
ピタッと足を止め、桃花は久志を見上げた。
「そういえば、こんな時間まで……麻美ちゃんは大丈夫なんですか?」
確かに麻美はしっかりとしているけれど、小学生の女の子をひとりにしておくのも心配なのでは……と、桃花が慌てて尋ねる。
すると、眉根に深い皺を刻みながら、唸るような声を漏らした後に久志が続けた。
「うー……ぃや、だいじょぶ」
(ほ、ほんとかな?!)
弱々しい久志の言葉に不安を感じながら、その場に立ったまま様子を窺う。
受け答えはとりあえずできている。吐きそうな気配もなく、少しずつ車酔いがよくなっているのかもしれない。
桃花がそう判断して、久志のマンションの方向へと足を向けた。
「歩けます? ていうか、どうしてマンションまでタクシーで帰らなかったんですか」
やや引き摺るような歩き方で久志が足を踏み出したときに、桃花が咄嗟に思ったことを口にした。すると、久志は少しの間の後に途切れ途切れに答える。
「……他にも……連中が乗ってた……から」
(相乗りってこと? だったら他の人も気を利かせばいいのに)
もしかしたら、同乗していた人たちも同じように酔っていて気なんか利かせられる状態ではなかったのかもしれない。
しかし桃花は、理由はそれだけではなく、久志の性格なのだろうと苦笑した。
パッと見と、少し話したくらいであれば、そんなふうに思わなかったかもしれない。
けれど、麻美と共に過ごし、話をしている姿を見て感じた。
強い責任感と、使命感。それと、年頃の麻美を気にするような優しい心。
「よっ」と久志の腕を肩に乗せなおしながら考えていたら、重要なことに気が付く。
ピタッと足を止め、桃花は久志を見上げた。
「そういえば、こんな時間まで……麻美ちゃんは大丈夫なんですか?」
確かに麻美はしっかりとしているけれど、小学生の女の子をひとりにしておくのも心配なのでは……と、桃花が慌てて尋ねる。
すると、眉根に深い皺を刻みながら、唸るような声を漏らした後に久志が続けた。