世界でいちばん、大キライ。
(クマ? こんなん、一体どこから……)
「これ、お前の……か」
久志は、まだドアの向こうに立つ麻美にそう問いかけて口を噤んだ。
そして、ハッと何かを思い出すようにして目を大きくさせる。
「いや。悪い。まだ寝ぼけてるわ。シャワー浴びて、目ェ覚ましてくる」
下着を履いてベッドから立ち上がると、手にしていたキーホルダーをコロン、とデスクの上に置いた。
そして、薄らと赤らめた顔でそっぽを向く麻美を横切って、脱衣所へと消えて行く。
麻美は、久志の姿が見えなくなった後に、もう一度部屋の中へと視線を向ける。
デスクの上にあるグラスと、その横に置かれたクマのキーホルダー。
当然、自分のものでも、久志の趣味でもないそのものに目を向けていると、足元で携帯電話が音を上げた。
驚きで声を失っていると、その音はすぐに止む。
脱ぎ捨てた上着のポケットから投げ出された携帯を、迷いながらも麻美は手に拾い上げた。
まだディスプレイはついていて、メールの内容はわからないものの、着信主の名前はそこに記されている。
見ると、【葉月桃花】と表示されていて、麻美は慌てて携帯を元の位置に戻すと部屋を出た。
その頃、熱めのシャワーの水圧を受けて、久志はだんだんと思考がはっきりとしてくる。
(あんなもんがオレの部屋に転がってたってことは……いや、でも〝彼女〟のものだと決まったわけじゃない)
ぐるぐると頭を巡るのは桃花の存在。
それは、夢うつつながらも、どこかリアルな感覚が体に残っていたから。
「これ、お前の……か」
久志は、まだドアの向こうに立つ麻美にそう問いかけて口を噤んだ。
そして、ハッと何かを思い出すようにして目を大きくさせる。
「いや。悪い。まだ寝ぼけてるわ。シャワー浴びて、目ェ覚ましてくる」
下着を履いてベッドから立ち上がると、手にしていたキーホルダーをコロン、とデスクの上に置いた。
そして、薄らと赤らめた顔でそっぽを向く麻美を横切って、脱衣所へと消えて行く。
麻美は、久志の姿が見えなくなった後に、もう一度部屋の中へと視線を向ける。
デスクの上にあるグラスと、その横に置かれたクマのキーホルダー。
当然、自分のものでも、久志の趣味でもないそのものに目を向けていると、足元で携帯電話が音を上げた。
驚きで声を失っていると、その音はすぐに止む。
脱ぎ捨てた上着のポケットから投げ出された携帯を、迷いながらも麻美は手に拾い上げた。
まだディスプレイはついていて、メールの内容はわからないものの、着信主の名前はそこに記されている。
見ると、【葉月桃花】と表示されていて、麻美は慌てて携帯を元の位置に戻すと部屋を出た。
その頃、熱めのシャワーの水圧を受けて、久志はだんだんと思考がはっきりとしてくる。
(あんなもんがオレの部屋に転がってたってことは……いや、でも〝彼女〟のものだと決まったわけじゃない)
ぐるぐると頭を巡るのは桃花の存在。
それは、夢うつつながらも、どこかリアルな感覚が体に残っていたから。