世界でいちばん、大キライ。
なにを言って、なにを言われて、なにをしたのか……。
断片的には覚えている。けれど、その記憶を繋いでいったものが現実のことだったとしたら……。
「……ヤバイ、よな」
ザアァ、と滝行のように浴びながら、久志は自分の両手のひらを広げ、視線を落とす。
(夢だとしたら、リアルすぎんだろ)
手の感触の記憶もさることながら、あのコーヒーの香りですらも蘇るようで。
さらには、頭は酒で重いはずなのに、やけに自身の体がすっきりとしている。
「はぁ」と深い溜め息をひとつ吐くと、やけになるように頭をガシガシと洗って浴室を出た。
部屋に戻ると、ぼふっと乱暴にベッドに腰を下ろす。
ギシッと軋むその音と沈みゆく感覚までも、昨夜の残像を思い起こさせるようで。
『スキ……です』
桃花の言葉が不意に頭を掠めると、大きく首を横に振った。
前髪からぽたりと垂れた雫をそのままに、一点だけを見て戒める。
(アホか。そこまで都合のいい記憶までねつ造してんじゃねーよ、オレの頭)
ポタポタッと続けて落ちる水滴が足元の携帯を濡らした。
ひょいとその携帯を手にすると、今まさに頭の中にいる相手の名前があって、大きく心臓を打った。
そして、メールを見る前に、机の上のクマの飾りに目を向ける。
久志は目を閉じ、大きく深い息を吐ききってから瞼を開けた。
【From 葉月桃花 Sub no title
具合は大丈夫ですか? ところで、そちらに小さなクマのチャームのようなものが落ちてませんでしょうか。もしあれば、明日休みなので、受け取らせて頂きたかったのですが……】
断片的には覚えている。けれど、その記憶を繋いでいったものが現実のことだったとしたら……。
「……ヤバイ、よな」
ザアァ、と滝行のように浴びながら、久志は自分の両手のひらを広げ、視線を落とす。
(夢だとしたら、リアルすぎんだろ)
手の感触の記憶もさることながら、あのコーヒーの香りですらも蘇るようで。
さらには、頭は酒で重いはずなのに、やけに自身の体がすっきりとしている。
「はぁ」と深い溜め息をひとつ吐くと、やけになるように頭をガシガシと洗って浴室を出た。
部屋に戻ると、ぼふっと乱暴にベッドに腰を下ろす。
ギシッと軋むその音と沈みゆく感覚までも、昨夜の残像を思い起こさせるようで。
『スキ……です』
桃花の言葉が不意に頭を掠めると、大きく首を横に振った。
前髪からぽたりと垂れた雫をそのままに、一点だけを見て戒める。
(アホか。そこまで都合のいい記憶までねつ造してんじゃねーよ、オレの頭)
ポタポタッと続けて落ちる水滴が足元の携帯を濡らした。
ひょいとその携帯を手にすると、今まさに頭の中にいる相手の名前があって、大きく心臓を打った。
そして、メールを見る前に、机の上のクマの飾りに目を向ける。
久志は目を閉じ、大きく深い息を吐ききってから瞼を開けた。
【From 葉月桃花 Sub no title
具合は大丈夫ですか? ところで、そちらに小さなクマのチャームのようなものが落ちてませんでしょうか。もしあれば、明日休みなので、受け取らせて頂きたかったのですが……】