世界でいちばん、大キライ。
特別動揺することなく、水野の説明を聞き入れている久志は少し温くなり始めたコーヒーを口に運ぶ。
目を軽く伏せるように桃花のコーヒーを舌で転がすと、やはり慣れ親しんだその味にどこか心がほっとする。
何気なく、水野から視線を外していき、ウッドベースの店内をゆっくりと眺めていく。
先程会計をしたレジカウンターから観葉植物を挟み、カウンター席へ。カウンター席からはひとりの男性が雑誌を手に退店していくところ。
いつもなら、それもまた無意識に帰っていく客の背を見送るのだろうが、今回は違った。
観葉植物の緑の隙間から、黄金色の目立つ髪色が目に入ったから。
週1日しか通ってはいないが、金髪の客など見たこともなくて目を引いた。
偏見ではないが、ソッジョルノの雰囲気にどこか似つかわしくないような派手な髪。
(いや、外見で人を判断したらだめだろ。ファッション関係とか芸能関係の仕事の人かもしんねぇし)
久志はそんなことを心の中で思いながら、視線はそのまま、少し長めの髪をした〝彼〟に向ける。
そのまた奥に桃花の姿が現れて、思わず息を止めた。
彼女は自分を見ることなく、そのカウンターの金髪の男となにやら言葉を交わしているようで。
さっきひとりの客が帰って行ったあとは、自分たちとそのカウンターの男しか来店客はいない。
店内は、その日によって若干異なる心地いいBGMがかけられている。
会話するのに邪魔にならない、けれど、近くの客の話し声をある程度遮ってくれるの絶妙な音量だ。
それによって、カウンターと距離のある窓際の席には、向こうの会話など全く聞こえず皆無だ。
けれど、声は聞こえずとも雰囲気や表情などは感じ取れる。
桃花がカウンター客とやたらと話し込んでいる気がする。
それは、いつものような笑顔と、時折やけに照れるようにしながら――。
目を軽く伏せるように桃花のコーヒーを舌で転がすと、やはり慣れ親しんだその味にどこか心がほっとする。
何気なく、水野から視線を外していき、ウッドベースの店内をゆっくりと眺めていく。
先程会計をしたレジカウンターから観葉植物を挟み、カウンター席へ。カウンター席からはひとりの男性が雑誌を手に退店していくところ。
いつもなら、それもまた無意識に帰っていく客の背を見送るのだろうが、今回は違った。
観葉植物の緑の隙間から、黄金色の目立つ髪色が目に入ったから。
週1日しか通ってはいないが、金髪の客など見たこともなくて目を引いた。
偏見ではないが、ソッジョルノの雰囲気にどこか似つかわしくないような派手な髪。
(いや、外見で人を判断したらだめだろ。ファッション関係とか芸能関係の仕事の人かもしんねぇし)
久志はそんなことを心の中で思いながら、視線はそのまま、少し長めの髪をした〝彼〟に向ける。
そのまた奥に桃花の姿が現れて、思わず息を止めた。
彼女は自分を見ることなく、そのカウンターの金髪の男となにやら言葉を交わしているようで。
さっきひとりの客が帰って行ったあとは、自分たちとそのカウンターの男しか来店客はいない。
店内は、その日によって若干異なる心地いいBGMがかけられている。
会話するのに邪魔にならない、けれど、近くの客の話し声をある程度遮ってくれるの絶妙な音量だ。
それによって、カウンターと距離のある窓際の席には、向こうの会話など全く聞こえず皆無だ。
けれど、声は聞こえずとも雰囲気や表情などは感じ取れる。
桃花がカウンター客とやたらと話し込んでいる気がする。
それは、いつものような笑顔と、時折やけに照れるようにしながら――。