世界でいちばん、大キライ。

動揺の色を隠せない桃花は、言葉を失ったまま。
ジョシュアもまた、伝えたいことは伝えたからか、それ以降は口を開かずに笑顔を桃花に注ぐだけ。

すると、カウンターから身を乗り出した了がジョシュアを制す。

「ぅおい! ジョシュ! 待て待て!」
「エー。なに? リョウ」
「『エー』じゃない! お前はいつも突然過ぎる! ここに向かってるのだって俺は1時間前に知ったんだぞ!」

まるで子供の様に口を尖らせるジョシュアに、桃花は呆気に取られてしまう。
同じく呆れ声のまま、了がジョシュアに冷静に言葉を投げかけた。

「自分ひとりで勝手に結論出して押し付けるんじゃなくて、ちゃんとわかるように説明すべきだ」

そう間に入ってくれた了に助けられた桃花は、ホッとした視線を了に送る。
ジョシュアはそんな桃花の微妙な変化を目の当たりにして、ようやくその経緯を口にし始めた。

「ゴメン、つい。オレ、アメリカ(向こう)でラテアートの特別講師で呼ばれたりもしてるんだ。店ももちろん持ってる。講義を開くと、たくさんの人に触れ合う」

ジョシュアの話に桃花はさらに目を見開いた。

店長の了と知り合いなのだから、カフェ系のつながりなのだろうとは予測していたけれど、まさか講師(そこ)までは思わず。

見た目から推察するに20代後半くらいの若さなのに、と、桃花は度肝を抜かれっぱなしだ。
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