薫子さんと主任の恋愛事情

* * *

夕ご飯は買い物へ行って私が作ると提案。でもそれを大登さんにあっさり却下されてしまう。

「片付けや掃除、洗濯までさせて、今から夕飯作らせるとか。そんなこと俺にはできない」

と出前に決定。しかも届いたのは寿司屋の特上寿司だと言うから、恐縮してしまう。

「並でよかったのに」

「おまえなあ、何遠慮してんだよ。昼は超良い肉頼んだくせに」

「あれは……」

大登さんが嘘をついていたことへのちょっとした復讐と、メニューの美味しそうな写真に負けてしまったから。そのせいでボリューム感満載のステーキセットがでできて、頼んだからには残しては申し訳ないと満腹を通り越して食べてしまった。当然のことながら、掃除や洗濯を頑張ってもさほどお腹は空いていない。

「昼、食い過ぎだもんな」

そう言って、ケラケラ笑う大登さん。

やっぱりバレてた。

でも今私の目の前には、滅多に食べることのできないネタが、輝かしく桶の中に並んでいる。

「お寿司は別腹かも」

「寿司はデザートじゃないけどな。まあ、好きなだけ食べろ」

大登さんにそう勧められると、ふたりでお寿司を堪能した。



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