薫子さんと主任の恋愛事情
「あ!」
「お、おい。急にどうした?」
「プレゼント」
「何? プレゼントって」
「何って、今日は大登さんの誕生日じゃないですか。忘れちゃったんですか?」
「ああ、そう言えばそうだな。何、プレゼントくれるの? もう一番欲しかった物もらったから、そんなこと気にしなくても……」
大登さんはそこまで言うと、私の身体を弄りだす。
「そ、そういうわけにはいきません。ちょっと待っててくださいね」
私の身体に巻き付いている大登さんは丁寧に剥がし、パジャマを掴んでそれを羽織るとリビングへと急ぐ。部屋の隅に隠すように置いてあったプレゼントが入っているショッパーを持って寝室へと戻り、そのまま大登さんに近づくとベッドの縁に腰掛けた。
「これ、大登さんに」
ショッパーの中からラッピングされた包みを取り出し、大登さんの前へと差し出す。やっと目が冷めたのか大登さんは驚いたように目を見開き、私の顔を見つめた。
「俺に?」
「はい。気に入ってもらえるといいんですけど」
緊張で震える手を抑えながらそれを渡すと、大登さんは嬉しそうに受け取ってくれた。
「開けてもいいか?」
「もちろんです」
大登さんはラッピングされた包装紙を丁寧に剥がすと、中の箱をゆっくりと開けた。