姫は冷血王子の所有物
ーーーあれから。
私は見事に残業分を30分という素晴らしいスピードで終わらせた。
そして、今。
私は走っている。
「夏実め〜っ‼︎」
それは、残業が終わって、ほっと一息しようと思った時だった。
ブーブー。
スマホのバイブ音がして、慌てて見たら、夏実からの着信だった。
「何?」
すごくいい気分だったのにと、少し不満気に出たら、なぜか夏実のテンションはマックスで、
「夏実〜っ‼︎早く来なさいよぉー!今から3分以内に来なさいっ‼︎分かった⁉︎」
そう言って、弾丸トークを飛ばし、電話は切られた。
そして、私は素直に駅前までの距離を走っているわけである。