これが私の王子様

「また、三人前ですか?」

「勿論」

 和人の爽やかな笑顔に、ゆかは嬉しそうに頷く。

 頼まれたのだから、何人前でも作るつもりである。

 勿論、手を抜くことなく最高の料理を作る。

「その時、また違う本を――」

「それも、楽しみにしている」

「結城君って……」

「何か、悪いことがあった?」

「いえ、そういう訳じゃないです。御曹司と聞いた時、緊張しました。ですが、話しましたら……」

「違った?」

「はい」

 大食いの御曹司とは、聞いたことがない。

 更に、気さくで取っつきやすい。

 和人が御曹司と聞かなければ、普通の生徒と間違えてしまうかもしれない。

 そう語るゆかに和人は、照れてしまう。

 今までそのように言われたことは数回あったが、やはりゆかに言われると違う。
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