これが私の王子様
「知っているもなにも、水沢さんが電話をしている時、側にいたから。圧力を掛けるなんて……」
『よかっただろう?』
「よかったよ……って、違う!」
思わず本音を口に出してしまうが、間髪入れずに自分自身に突っ込みを入れてしまう。
息子の絶妙な自分突っ込みに雅之は大笑いすると、この婚約は間違いでなかったと確信する。
「で、どうして圧力を?」
『圧力ではない』
「あれを圧力じゃないといったら、何を圧力と言うのか……父さんの圧力の大きさ、わかっているのかな」
『勿論、わかっている』
「それなら、いいけど」
しかし、本当にわかっているかどうか怪しい。
本当にわかっているとしたら、このように圧力を掛けることはしない。
だが、父親は傘下の会社の社長に圧力を掛け、婚約の話を進めた。
この調子だと、ゆかの父親が勤めている会社も、大騒ぎだろう。
何せ、会長の口から直接「婚約」の話が出たのだから。
こうなると彼女の父親にも迷惑がいってしまい、申し訳なくなってしまう。
